海外意匠登録

模倣品がデッドコピー品である場合、商標権に加え、意匠権のように侵害の成否を製品の外観から直接判別しやすいものについて行政摘発を申請することが有効な手段です。
輸出国、輸入国の両者において適切な知的財産権を取得し、税関登録で水際差止を行うことが模倣品被害の防止に有効です。

《各国の制度概要》

*インド*

審査主義
権利期間:登録日から 10 年
登録日とは優先日とインド出願日のうち早い方の日
追加手数料を支払うことで存続期間を一度のみ 5 年延長できる。15 年を超えて意匠権を維持することはできない。

ハーグ協定未締約国
2018.10

*韓国*

出願から審査完了までの期間:おおむね 10~12 ヵ月
権利期間:設定登録日から発生し、出願日から 20 年となる日まで。存続期間の延長や更新制度はない。
保護の対象:「物品(物品の部分及び書体を含む)の形状、模様、色彩又 はこれらを結合したもので、視覚を通じて美感を引き起こさせるもの」と定義されるデザイン
物品の一部分、記録や標識などに使用されるための一組の書体(フォント)、画像デザイ ン(GUI、アイコン、グラフィックイメージなど)も保護対象
衣服、繊維製品、文房具、事務用品など一部限定された物品に対しては工業上の利用可能性、 韓国内周知の形状、模様、色彩、またはこれらの結合により容易に創作したものであるか否かのみを審査し、新規性喪失如何に対しては審査しないことで、迅速に登録が可能なようにデザイン一部審査登録制度を設けている。

申請によってのみ公開(特許法・実用新案法と異なる)
出願公開後には当該デザインと同一、類似のデザインを業として実施した者に書面で警告でき、警告した後にも続けて実施したり出願されたデザインであることを知りながらも実施した場合には登録後に補償金請求権

ハーグ協定締約国
2019.3

*カンボジア*

実体審査あり
意匠:線または色彩の有無を問わず、線、色彩または立体の組合せ、あるいは素材である。当該組合せ、形状または素材は、工業製品または手工芸品に特別の 外観を与えるものであり、工業製品若しくは手工芸品について模様として使用でき、 視覚に訴え、かつ、視覚により認識可能であることを条件とする。意匠のうち、技術的効果を得るためにのみに資するもの、また、外観の特徴に関する創作の余地が ないものは保護対象として認められない。
権利期間:出願日から5年間。意匠権者は2回まで意匠権を更新でき、最長保護期間は15年

ハーグ協定締約国
2018.9

*タイ*

出願手続:主に、(1)出願、(2)方式審査、(3)出願公開(異議申立期間)、(4)実体審査、(5)登録の手順で進められる。登録公報は発行されない。
方式審査を通過した出願は、公開命令が発出される。
出願人は、この公開命令受領後 60 日以内に公開手数料を支払う。 支払わない場合、出願は放棄されたものとみなされる。
権利期間:出願日から10年、延長はできない。
出願日を年金納付起算日として5年度から毎年、年金を支払う。
ただし、登録になるまでは年金を支払う義務はなく、登録までに4年以上経過した場合は、登録費用納付日から60日以内に累積年金としてまとめて支払う。
登録要件:「工業、工芸のための新規な意匠に対して行われなければならない」
委任状:原則として居所を有している国(または地域)での公証手続きが必要

ハーグ協定未締約国
2018.11

*シンガポール*

実体審査が行われず、方式審査のみが行われる。
新規性が要求される(意匠法第5条)。
権利期間:登録日から5年であるが、2回まで存続期間を5年間延長でき、最長で登録日から15年

ハーグ協定締約国
2018.9

*マレーシア*

権利期間:出願日または優先日から5年であり、その後5年毎に4期に亘り更新可能。最大存続期間は出願日または優先日から25年である。
「意匠とは、工業的方法または手段により物品に適用される形状、輪郭、模様または装飾の特徴であって、完 成した物品において視覚に訴え、視覚によって判断されるものをいう。」
出願日が付与された意匠登録出願は、願書記載事項、新規性の陳述などの方式的要件を満たすか否かについて審査
上記要件に加えて、法上の意匠であること、公序良俗に反しないこと、新規性を有することも審査

ハーグ協定未締約国
2018.11

*フィリピン*

出願手続は、出願、出願日の付与、方式審査、意匠登録出願の公告および登録証の発行の手順で進められ、実体審査は行われない。
新規性または装飾性が必要
権利期間:出願日から5年間であるが、2回まで存続期間を5年間延長でき、最長で出願日から15年である。

ハーグ協定未締約国
2018.9

*インドネシア*

出願手続は、主に(1)出願、(2)方式審査、公序良俗等審査、(3)出願公開(異議申立)、(4)実体審査、(5)登録の手順で進められる。
権利期間:出願日から10年
意匠:「立体または 平面における形状、構造、線若しくは色彩若しくは線と色彩から成る構成、またはこれらの組合せについての創作であって、美的印象を与え、立体または平面の装飾 に実現可能で、製品、商品、工業製品または手工芸品の生産に用いられるもの」
創作非容易性の規定はない

登録許可通知や登録料納付の手続はなく、登録証の発行が行われる。

ハーグ協定未締約国
2018.11

*香港*

権利期間(登録有効期間):提出日から5年であり、毎回5年間を延長することができ、最長25年まで。
登録要件:意匠願書、意匠図面または写真、意匠説明および新規性陳述を提出
方式審査のみが行われ、方式不備がない場合、通常3か月程度で登録できる。
新規性の要求を満足しなければ、登録にならない。

ハーグ協定未締約国
2018.11

*ベトナム*

出願手続は、主に、(1)出願、(2)方式審査、(3)出願公開、(4)実体審査、(5)登録の手順で進められる。
権利期間:出願日から5年で満了となるが、各5年の延長を2回まで行うことができ、最長15年で権利満了となる。
「工業意匠」:形状、線、色彩、またはそれらの組合せにより表現された製品の外観形態である(知的財産法第 4 条第 13 項)。
新規性、創作性、 産業上利用性の 3 要件を満たすことが必要である(知的財産法第 63 条)。
知的財産法の条文上規定されていない「独立流通性」 を求めることがガイドラインに規定。

ハーグ協定締約国(2019.12.30)
2018.10